会長挨拶

 

 

 

 

 

  

 

 

 埼玉県養護教諭会
 <会長>山﨑章子

会員の皆様には、日頃より本会の事業にご理解ご協力いただいていておりますことに、心よりお礼申し上げます。

さて、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、今年度の総会は中止となり、本会としては初めての紙上採決となりました。会員の皆様には大変お忙しい中、慎重な審議をしていただきありがとうございました。今年度全ての議案が成立いたしました。

本来なら、総会において直接ご挨拶するべきところですが、このような形になり大変残念に思います。

本会の会長として3期目になります。これからも先人たちの思いや願いを引き継ぎ、養護教諭の資質向上と埼玉県養護教諭会の組織力をさらに高めるために努力してまいります。

さて、今回の新型コロナウイルス禍における養護教諭の対応は、我々のルーツである学校看護婦が配置された明治時代を彷彿させます。当時罹患すると視力低下や失明の恐れがあるとされたトラホームの全国的な大流行がありました。専任として正式に初めて就任した学校看護婦である廣瀬ます氏は、既に制度化されていた学校医の指導の下、洗眼などの対応だけでなく、感染を予防する立場から、積極的に衛生教育を実践し、子供たちだけでなく、家庭に対してその予防の大切さを教育することに力を注いだという記録があります。その後、大正から昭和へと学校看護婦から養護訓導、そして養護教諭への名称変更と共にその身分の位置づけ、職務内容などが大きく変化していきます。

令和の時代における新型コロナウイルス感染症対策や心のケアは、エビデンスに基づいた保健管理と保健教育を一体にしたものであり、普遍的な養護教諭の職務と役割を再認識したといえます。このたゆみない努力と実践は、まちがいなくこれからの養護教諭の資質と力量の向上につながると信じています。

また、学校が臨時休業となり、ICT教育が急速に普及し、授業だけでなく、会議や研修会等でも活用されるようになりました。情報通信技術を活用したコミュニケーションは、効率よく、タイムリーに情報収集や情報共有ができるという大きなメリットがあります。この状況において、個人的に情報通信技術・能力が向上した養護教諭も多いのではないかと推察します。これこそピンチをチャンスに変えたことのひとつであると思います。

一方、これまで会長として、県内養護教諭同士が地域、校種、年齢や経験を超えて、縦、横のつながりが必要であることを様々な場面で伝えてきました。しかし、今年度の事業計画変更に伴い、会議や研修会の中止が余儀なくされ、県内の養護教諭が集まる機会がもてない日々が続いています。この状況を経験し、あらためてFace to Face、顔を合わせてのコミュニケーションが大切であるかを再認識しています。

歴史的にも、大正末期から昭和の初めにかけて急速に増加した学校看護婦たちは、次第に学校の実態が明らかになっていく中で、多くの悩みを出し合う場として、積極的に自主的な職能団体としての交流を深めたという記録があります。今こそ、養護教諭同士が実践の共有をすることが必要であり、これまで以上に仲間としてのつながりを大切にしていきたいと思います。一日も早く、会員の皆様と笑顔でお会いできる日を楽しみにしています。

今回の新型コロナウイルス感染症にかかわった時間は、私達養護教諭にとって、さまざまな面での原点回帰となり、さらに創造的に多くの知恵を出した有意義な時間だったと振り返ることができると願っています。

結びに、これからも埼玉県とさいたま市の養護教諭が「チーム埼玉」として力を合わせて、この埼玉県養護教諭会が、さらに充実発展していきますように、皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。